回遊空間〜家族とともに成長する住まい〜イメージ写真

回遊空間〜家族とともに成長する住まい〜 プランナー:佐藤百合

そう、どこか懐かしい・・・・。回遊空間は故き良き時代の日本家屋が原点にある。

今の時代、「故き良き時代の日本家屋」を知っている人はどれだけいるでしょうか?私ごとになりますが、私の生家は玄関の引き戸を開けると、式台のある土間を経て家族が集まる茶の間がありました。ご近所の方は茶の間に上がらず、縁側や式台に腰掛け、家族は緑茶と漬物でお客様をもてなす風景をよく見たものです。茶の間から和室の続き間があり、その外側に縁側、ぬれ縁・・・・。

和室と和室、または和室と縁側、縁側とぬれ縁の境は襖や障子、引き戸という希薄な間仕切りで仕切られ、今思えば内と外との境がはっきりと分かれてはいなかったような気がします。和室の続き間の上部には透かし彫りのされた欄間があり、襖を閉めていても光と南風が吹き抜ける家屋でした。


また、ご飯はかまどで薪をくべて炊きあげ、土間の台所と茶の間の間には茶箪笥と呼ばれる両面が引き戸で出来た造り付けの家具があり、そこから配膳を手伝っていたものです。 自分の部屋といえば、早くから家屋の2階の一室を与えられていたものの、そこでは寝ることもなく仏間でもある曾祖母の部屋で、共にまくらを並べて昔話を聞きながら、眠りにつく毎日が12歳の夏まで続きました。

夏は蚊帳を吊り、部屋の隅には蚊取り線香を置き、冬は行火(あんか)で暖をとり、床につく。家族の部屋といえば襖で仕切られているため、就寝の邪魔をしないよう会話も自然と声をひそめる。窮屈ながらも、家族との接点が多く見られる家屋、それが本来の日本家屋だったような気もします。


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回遊空間/間取図

回遊空間〜家族とともに成長する住まい〜

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